営農型太陽光発電所(ソーラーシェアリング)について

私がサラリーマンから農業に転職して4年が過ぎようとしています。

その当時から計画していた営農型太陽光発電所の建設が、

いよいよ完成を迎えました。

 

メディアへの掲載を前に、当ブログにて少しづつ概要を発表していきます。

(紙面などでは正確に伝わらないケースもあるかと思い・・・)

 

私たちは、昔ながらの原木椎茸栽培にこだわり、農業を営んでいます。

原木椎茸栽培は重労働であり生産者は年々減少しており、生産量も下降線です。

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上記は簡単な原木椎茸栽培の手順です。

作業で一番大変なのがほだ木の移動で、その工数も非常に多いのです。

 

弊社も例外ではなく、全盛期の生産量を確保できずにいます。

その原因の最たるものが、近隣農家の高齢化に伴い譲り受けた稲作作業の時間が増え、

原木椎茸栽培にかける時間が相対的に減っていることです。

地域の維持の為には、小作をすべて断ることはできなかったのです。

 

父は常々、人工ほだ場が欲しいと話していました。

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これは、平場の人工ほだ場の例です。

山への移動を少しでも減らすために、平場に伏せ込み場でも欲しい!

しかし、平場に伏せ込み場として適した場所って山間地域にはなかなか無いものなんです。

また建築コストも結構かかる・・・。

 

私は、就農する前に税理士事務所に10年ほど勤務しており、

様々な業種と接してきました。

その中で、平成23年頃だったと思いますが、

再生可能エネルギー関係の商売を行う方がちらほら見えてきました。

まだ一般家庭の屋根に載せるタイプが主流でした。

しかし、私が最も信頼を寄せている社長様は、

いち早く産業用の太陽光発電に目を付けていました。

良い土地があれば産業用の太陽光発電所は面白いビジネスになる!

(電力は損をせず、企業と一般家庭の電気料金に買取価格が転化され、

発電所はリスクを負う変わりにビジネスになる。)

と教えてくれました。

 

ただ、うちには農地しか無かったので実現は無理だなと思っていました。

 

ところが、平成25年3月31日に、農地でも発電事業を行うことに許可が出ました。

営農を継続する前提で農地一時転用を許可するというものです。

私は、すぐに動き出しました。まだサラリーマンでしたが(笑)

椎茸は日陰で育つことから、パネル下でも営農を継続するのは容易だなと。

信頼の置ける顧問先に相談し、その可能性をさぐってもらい、

私は事業計画を必死になって立てました。

 

この年の夏、父からまた田んぼが増えることから就農の誘いがあり、

翌年1月31日付けで税理士事務所を退職することになります。

 

同年2月、早速三重県の発電所を見学に行きました。

ダウンロード

小椋緑化というタマリュウを育てている会社の営農型発電所です。

これは、まさに『目から鱗!』

父が構想していた人工ほだ場とそっくりではないですか!

それまで一般的な太陽光発電所しか見てなかったのに、

まさに日陰農業に適した設備じゃないですか!

この設備なら椎茸栽培できる!と確信し、事業計画の最終整備にかかりました。

ポイントは、

①元々水田であった農地なので日当たりが良いことから太陽光発電に合っている。

②パネル下が日陰になるので原木椎茸栽培に適している。

③植菌から収穫までを同じ場所で行うため作業コストを大幅に減らせる。

④設備投資を売電収入で補える。

⑤耕作放棄地を解消できる。

と言ったところでしょうか。

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弊社に関わることで言えば、経営の課題であった事業拡大と作業効率の軽減を

同時に実現できることにも繋がることになります。

平成26年8月、上記構想を元に、経営革新計画の承認を受け、

いよいよ資金調達に入ることになりました。

 

これが一番難しかった・・・。

 

続く。