岩城の★HOSHIそばがデビューして1カ月が過ぎようとしています。
本来であれば事前に書き残しておきたかったのですが、農繁期とぶつかってしまい
何もできないまま今に至ってしまいました。
【開発の経緯~計画まで】
そばの作付けは10年以上前から行っていました。
その当時は岩城でもチラホラ作付けしている人が増えていた状況で、
水稲を付けるには条件が厳しい田にそばを作付けしていました。
水稲に比べると手がかからないのが魅力だったのですが、
農家の性なのか等級が1等になりたい、収量を採りたいと時間をかけてしまい、
いつの間にか反収は大体の年で地域トップになっていました。それでもMAX55kg/10aです。
ところが蕎麦の出荷額がビックリするくらい安くなったのです。
200円/kgだったのがいつの間にか100円/kgを切り、最安値は5円/kgまで・・・。
販売収入以外の補助金に頼っているのは間違いないのですが、いくらなんでもやる気が無くなる。
しかも別地域の特産品になっているし・・・。
他地域の業者に作業委託料払うくらいなら、岩城地区だけでも蕎麦の刈取りから乾燥調整作業まで
請負しようかなと思ったのが2020年あたりでした。
その当時、というかだいぶ前からですが、頭を悩ませていたのは
全国的に課題でもあった農地の引き受け問題でした。
若手農家の部類であることから、当然白羽の矢は立っていました。
原木椎茸で忙しいから、水稲はあまり面積広げたくないけど、地域の為にしょうがないよな・・・。
でも既存設備では作付けできる農地面積に限りがあるので、積極的に引き受けられない。
せめて乾燥調整設備の更新をしなければ、将来大変な事になると考えていました。
しかし、ミニライスセンター(小規模な乾燥調製施設)の建築コストは莫大であり、
かつ、稼働時間が少ない!僕にとってはこれが最大のネックになっていました。
そんな中、新型コロナが全世界に猛威をふるいます。
岩城町農園はかつてないほどの大打撃を受け、マジで瀕死でした。
ギフト売上に頼っていたのが仇になり、椎茸関連は6割も売上が落ち込みました。
雇用を守るためとはいえ、重くのしかかるのは借金というよく聞くパターンに足を突っ込んでいました。
2021年のこと、少し希望を与えてくれたのが事業再構築補助金の公募でした。
まあコロナ禍にはすごい補助率と上限額の補助金があふれていましたが、
事業再構築補助金はその中でも随一でしたね。
僕はこれにかけようと2021年秋から計画を練り始めました。
細かい説明は省きますが、事業再構築補助金はコロナで影響受けていること、
今までやっていない事業を行うことが大きな要件でした。
以下がおおまかな計画内容でした。
①市の公共施設(多目的スポーツ施設という名のゲートボール場的な施設)を譲り受け、
ライスセンターを整備し作業受託を行い地域農業の受け皿になる基礎を整える。
作業受託にしたのは、法人で水稲を生産していないことの他、
近隣農家に一気に辞めてもらいたくないという思いからでした。どれかの農業機械が
壊れても、その部分から先はこちらで請負えますよ!の方が長く農業を続けてくれるかなと考えました。
⇒既存施設の利活用によるイニシャルコストの削減と近隣農家のコスト負担の減少。
②既存水稲乾燥調製施設をそばの収穫乾燥調整施設として再利用し、そばの作業受託を請負う。
新たな収入の柱の構築と、生産農家にとっては近隣企業による適期作業を可能にする。
何よりそば作りが地域ではNo.1だったことが大きな安心感を生み出せる。
⇒既存施設の利活用によるイニシャルコストの削減&地元農家による取組。
③ライスセンターに加工室を設け、製麺事業を行う。
岩城地域のそばは全量買取り、原木椎茸出汁と合わせて新たな地域特産品として
付加価値をつけて販売することで生産者にも還元できる。冷凍蕎麦は何度か食べていたので
既存の冷凍商品の応用でできるだろうとの考えで突き進みました。
⇒施設の稼働率の向上と地域を巻き込んだ新たな事業の柱。
過去の採択結果から部分的ではあるけど類似の事業も採択されていることを確認し、①~③をまとめて、
「地域農業の持続可能な発展を支えるトータルアグリサービス事業」と銘打って申請しました。
いかにもその当時の流行り言葉を散りばめた申請書でしたね笑
それが2022年3月のことでした。事業費は60,000千円超でした。
結果は、、、、6月くらいだったかな、、、
何と採択されたのです!
いやー、ビビったっす、これは。
ん、そばの製麺どうしよ!?なんて思いながら交付申請に進みました。
そこで大きな落とし穴が・・・。まさに一気にどん底に落ちました・・・。
続きは後ほど。